馬券のボックス買いとは?
「ボックス買い」とは、選択した馬番(または枠)の組み合わせをすべて、同一金額で購入する方法です。
「ボックス買い」とは、馬連や3連複など「組み合わせ」がある馬券式別で、選んだ馬番(または枠)の組み合わせをすべて、同一金額で購入する投票方法のことです。馬単や3連単の場合、順番を入れ替えた組み合わせもすべて購入します。マークカードは赤色の「ボックス」面に記入します。
馬連で馬番「1番、2番、3番、4番」の馬をボックス買いした場合の買い目
- 1-2
- 2-3
- 1-3
- 2-4
- 1-4
- 3-4
馬単で馬番「1番、2番、3番、4番」の馬をボックス買いした場合の買い目
- 1→2
- 3→1
- 1→3
- 3→2
- 1→4
- 3→4
- 2→1
- 4→1
- 2→3
- 4→2
- 2→4
- 4→3
3連複で馬番「1番、2番、3番、4番」の馬をボックス買いした場合の買い目
- 1-2-3
- 1-2-4
- 1-3-4
- 2-3-4
3連単で馬番「1番、2番、3番」の馬をボックス買いした場合の買い目
- 1→2→3
- 2→1→3
- 3→1→2
- 1→3→2
- 2→3→1
- 3→2→1
最後の3連単だけは「1番、2番、3番」の3頭のボックス買いになっています。もし3連単で「1番、2番、3番、4番」の4頭をボックス買いすると、買い目は計24点になります。
ボックス買いでは、選んだ馬(枠)から条件を満たす組み合わせが的中となります。
- 枠連・馬連・馬単:2頭が2着以内
- ワイド:2頭が3着以内
- 3連複・3連単:3頭が3着以内
ただし、枠連ではゾロ目(例:「1-1」「8-8」)は含まれないため注意が必要です。また、同着があった場合、枠連・馬連・馬単では2着同着、ワイド・3連複・3連単では3着同着があると不的中になります。
ボックス買い対象の馬券式別は以下の6種類:
枠連・馬連・馬単・ワイド・3連複・3連単
単勝・複勝は対象外です。
馬券のながし買いとは?
「ながし買い」とは、「軸」に据える馬を1頭、または2頭(3連複、3連単のみ)決め、その軸馬と、相手に選択した馬との組み合わせを購入する方法です。
馬券の「軸」にする馬を決め、その「軸馬」と「相手」に選択した馬との組み合わせを購入するのが「ながし買い」です。「軸」に据える馬は1頭、または2頭(3連複、3連単のみ)で、「組み合わせ」を購入するため、単勝や複勝にながし買いはありません。枠連の場合は馬番ではなく枠番で選択します。
また、順番通りに当てる馬単と3連単では、軸馬を1着、2着、3着(3連単のみ)のいずれかに据えます。3連単で軸2頭の場合は、その2頭の着順が重ならないように選択します。
「ながし」馬券をマークカードで購入する際はいずれも青のカードで、馬券式別によって「連複ながし」(枠連、馬連、ワイド、3連複)か、「連単ながし」(馬単、3連単)の面に記入します。
馬連で軸を1番、相手に2番~5番を選択した場合
- 1-2
- 1-3
- 1-4
- 1-5
馬単で1番を軸とし、2~5番を相手に選択した場合
1着ながし
- 1→2
- 1→3
- 1→4
- 1→5
2着ながし
- 2→1
- 3→1
- 4→1
- 5→1
3連複の軸1頭で、軸を1番、相手に2~5番を選択した場合
- 1-2-3
- 1-2-4
- 1-2-5
- 1-3-4
- 1-3-5
- 1-4-5
3連複の軸2頭で、1番と2番を軸、3~5番を相手とした場合
- 1-2-3
- 1-2-4
- 1-2-5
3連単の軸1頭ながしで、1番を1着軸、相手を2~4番とした場合
- 1→2→3
- 1→2→4
- 1→3→2
- 1→3→4
- 1→4→2
- 1→4→3
3連単の軸2頭ながしで、1番を1着軸、2番を2着軸とし、相手に3~5番を選択した場合
- 1→2→3
- 1→2→4
- 1→2→5
なお「連単ながし」では、軸と相手の順番を入れ替えた買い目にも投票する「マルチ投票」も行えます。
馬単マルチで1番を軸、相手に2~4番を選択した場合
馬単をマルチで購入した際に、的中する組み合わせは馬連ながしと同じ。3連単マルチで的中するのは3連複と同じです。ただし、馬単や3連単には「順番」があるため、相手の数が多いと、馬連や3連複に比べ買い目が大幅に増えるので注意が必要です。特に「3連単軸1頭マルチ」は、相手がわずか4頭でも36通りにもなります。
馬券を買うなら「ながし買い」と「ボックス買い」どちらがおすすめ?
「ながし買い」に適しているのは、軸馬を決めやすいレース。「ボックス買い」は軸馬を決めづらくても、馬券候補全体の頭数を絞りやすいレースに適しています。
ながし買いに適したレースは?
「ボックス買い」と「ながし買い」にはそれぞれにメリットとデメリットがあり、レースによっておすすめの買い方は異なります。
まず、ながし買いに適しているのは、軸馬を決めやすく、相手が絞りづらいレースです。軸馬は馬連なら「2着以内に入る確率が高そうな馬(1頭)」、3連複なら「3着以内に入る確率が高そうな馬(1頭または2頭)」。馬単や3連単なら「1着になる確率が高そうな馬」がいるときに利用するのが一般的です。
ただ、出走馬の中に「詰めが甘くて勝てそうにはないけれど、2着になる確率は高そう」という馬がいれば、馬単や3連単の「2着ながし」を買う手もあります。また、相手候補を数頭に絞れるレースであれば、ながし買いにはせず1点1点マークして(緑のカード)、買い目ごとのオッズに応じて購入金額を調整するほうが良いでしょう。
ボックス買いに適したレースは?
一方、ボックス買いに適しているのは、ながし買いとは逆のパターン。「軸に据えられるほどの馬はいないけれど、有力馬は数頭に絞れる」というレースです。ボックス買いでは、買いたい馬すべての組み合わせを購入するため、軸馬を決められないレースでも、選択した馬が1~2着や1~3着を占めさえすれば、馬券は的中します(ワイドは1~3着のうち2頭)。
ただし、ボックス買いはながし買いに比べ、買い目の点数が増えやすいというデメリットがあります。「軸馬が見つからず、有力馬も絞りづらい」というレースでは、買い方を変えるのではなく、馬券そのものの難易度を落とし、1~3着に入る馬のうち1頭を当てる複勝(7頭立て以下では1~2着)や、2頭を当てるワイドがオススメです。
「確率」を考えて買い方や馬券式別を選ぶ
ここまでの説明の中で「1着になる確率」「2着以内に入る確率」など、何度か「確率」という言葉が出てきました。よく「競馬に絶対はない」と言われますが、どんなに予想上手な人でも、レース前にわかるのは「勝つ馬」ではなく「勝つ確率が高いか低いか」なのです。
たとえば、2018年の中央競馬全レースで、単勝1番人気馬が勝った割合(勝率)は31.8%でした。ファンが「このレースでもっとも勝つ確率が高い」と考えた馬でさえ、3分の2以上は敗れているのです。これが2番人気馬なら勝率は20.5%、3番人気馬は13.3%、そして4番人気になると10.1%と、10回に1回しか勝てなくなります。一方で、1番人気馬が2着以内に入る確率は51.1%、3着以内に入る確率は63.7%ありました。
果たして、自分の選んだ軸馬は本当に勝つ確率が高いのか。ツキがなければ、1着の軸に据えた馬が写真判定の末ことごとく敗れてしまう、という日もあるものです。軸馬にあまり自信が持てないレースならば、ながし買いではなくボックス買いにしたり、馬券の難易度を下げたりするなど、臨機応変に対応していくのが良いでしょう。
ベテラン競馬ファンはボックス買いをしない?
「軸馬」を決められるレースには「ながし買い」が適している。ベテランの競馬ファンはその**「軸馬」を発見する能力に長けており、余分な買い目が含まれる「ボックス買い」**にはあまり手を出さない傾向があります。
ボックス買いでは、選択する馬さえ間違えなければ、どんな組み合わせでも的中しますが、ベテランの競馬ファンの中には、ボックス買いには「ムダ」があると考える人も多いです。
競馬を長く楽しんでいると、**「軸馬」**を見極める能力が養われ、例えば「2着以内の有力馬」が4頭いるレースでも、馬連4頭ボックス6点ではなく、**軸馬1頭から相手3頭へのながし馬券(3点)**で済むようになり、**残りの3点は「ムダ」**に感じます。
買い目を減らすことで、1レースあたりの購入金額を抑えたり、トータルの購入金額をそのままにして1点あたりの金額を増やせるというメリットがあります。例えば、1レースの予算が1200円なら、ボックス買い6点なら1点あたり200円、ながし買い3点なら1点あたり400円で購入でき、的中時の払戻金も倍になります。
さらに、買い目を減らすことで「トリガミ」を防ぐことができます。ボックスの6点買いでは、最低でも**6倍(600円)以上つかないとマイナスになりますが、3点ながしなら3倍(300円)**以上つけばプラスです。
このように、「的中する」ことと同じくらい「買い目を減らす」ことも重要であり、そのため軸馬を発見する能力に長けたベテランファンは、ボックス買いには手を出さないのです。
おすすめのボックスの買い方!
ボックス買いでは、馬連や3連複で選択する馬を6頭前後に抑え、買い目の点数があまり増えすぎないようにすることが重要です。
買い目の点数を減らすことを意識する
ボックス買いのデメリットは、選択した馬の数が増えれば増えるほど、買い目の点数がふくれあがっていくことです。いったいどれほどになるのか、見てみましょう。
マーク数 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 | 6点 | 7点 | 8点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
枠連・馬連・ワイド | 1 | 3 | 6 | 10 | 15 | 21 | 28 |
馬単 | 2 | 6 | 12 | 20 | 30 | 42 | 56 |
3連複 | – | 1 | 4 | 10 | 20 | 35 | 56 |
3連単 | – | 6 | 24 | 60 | 120 | 210 | 336 |
マーク数 | 9点 | 10点 | 11点 | 12点 | 13点 | 14点 | 15点 | 16点 | 17点 | 18点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
馬連・ワイド | 36 | 45 | 55 | 66 | 78 | 91 | 105 | 120 | 136 | 153 |
馬単 | 72 | 90 | 110 | 132 | 156 | 182 | 210 | 240 | 272 | 306 |
3連複 | 84 | 120 | 165 | 220 | 286 | 364 | 455 | 560 | 680 | 816 |
3連単 | 504 | 720 | 990 | 1320 | 1716 | 2184 | 2730 | 3360 | 4080 | 4896 |
馬券式別によっても大きく異なりますが、8頭ボックスでは、買い目が最も少ない馬連でも28点。最多の3連単ではなんと336点にもなり、穴馬が少なくとも1頭は馬券に絡まなければ、馬券作戦として成立しません。
馬券式別は馬連か3連複が無難
点数を抑えるためにまず考えられるのは、馬連や3連複を選択することです。表にあるように、3連単は候補馬が増えると点数も膨大になります。馬単はそれほどではありませんが、単純に「馬連の倍」になるため、やはり候補馬が増えれば馬連との点数差は広がります。
そもそも馬単や3連単は、1~2着、または1~3着に入る馬を「順番通りに」当てる馬券で、その順番が関係なくなるボックス買いとは相反します。このことからも、ボックス買いの馬券式別は馬連や3連複が中心になります。
候補馬で目移りしてしまうレースに手を出さない
その馬連や3連複の点数を細かく見てみましょう。選択した頭数が少ないときは、馬連より3連複のほうが点数は少なく、5頭になると10点で並びます。そして6頭で馬連と3連複が逆転し、以降はどんどん差が開いていきます。
この点数を見ると、3連複のボックスを買うなら「3着以内に入りそうな馬」が5頭(10点)、あるいは多くても6頭(20点)には絞れるレースが無難です。馬連のボックスならやや難しいレースで、「2着以内に入りそうな馬」が7頭(21点)程度までになるでしょうか。予算や買い目のオッズによっては、さらに少なく抑える必要があるレースも出てくるでしょう。
いずれにしても、出走馬の半数ほどが「候補馬」にあがるようなレースはボックス買いには適しません。逆に4点や6点で済むのであれば、1点ずつバラバラに買い、買い目のオッズに応じて購入金額を調整したいものです。候補馬がさほど多くはならず、同時に「すべての買い目を同一金額でまとめて購入したい」レースが、ボックス買いに適したレースです。
この章のまとめ
「ながし買い」と「ボックス買い」には、それぞれメリットとデメリットがありました。ベテランのファンは点数を抑えられる「ながし買い」を選ぶ傾向が強いですが、そこには信頼できる軸馬を見極める眼力が必要です。競馬をはじめたばかりのころは「この馬で間違いない!」と思っても、レースが終わればそれが間違いだった、という事態も多々起こるものです。
そんなベテランと初心者の「差」を埋める手助けになるのが、デジタル化されたデータです。1番人気の馬が勝つ確率は? この騎手がこの競馬場で3着以内に入る確率は? 競馬情報提供サービスJRA-VANを活用して、そんな疑問をひとつひとつ解決していくと、それぞれのレースでベストな馬券式別、買い方が自然とわかるようになってくることでしょう。
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