「回収率を上げる」とは?
競馬の楽しみ方は人それぞれですが、馬券で勝ちたいなら「回収率」が非常に重要です。回収率とは、馬券収支の**「勝ち・負け」を判断する指標**のようなもの。**基準は100%**で、これを下回れば「負け」、上回れば「勝ち」となります。
■回収率・・・馬券収支の**「勝ち・負け」を表す指標**。100%以上であればプラス収支、100%未満はマイナス収支を意味します。
一方で、「的中率」という言葉もよく使われます。これは文字通り馬券が的中した割合を指しますが、その定義はやや曖昧です。たとえば、購入したレース数に対する的中数を指すのか、あるいは購入した買い目の数に対する的中数を指すのかによって異なります。一般的には**前者(購入レース数に対する的中数)**として捉えられますが、いずれの場合も、収支の勝ち負けを判断する上ではあまり関係のない指標といえます。
■的中率・・・一般的には、馬券を購入したレース数に対する的中レース数の割合を指します。的中率がどんなに高くても、プラス収支であるとは限りません。
例えば、1日12レースで馬券を買い、8つのレースで的中したとしましょう。この場合、**レース単位での的中率は約67%となり、非常に立派な数字です。しかし、もし回収率が100%に達していなければ「負け」**です。
一方、12レース中1レースしか的中できなくても、回収率が101%であれば「勝ち」です。この場合、的中率はわずか約8.3%ですが、確実に儲かったことを意味します。
したがって、競馬で勝つには「回収率」を上げることが絶対条件です。そのためには、より当たりそうなレースを選ぶ、効率的な買い方を実践するなど、さまざまな工夫が必要となります。
競馬における回収率の計算方法は?
競馬における回収率は以下のような計算で算出します。
回収率(%)=払戻金額÷購入金額×100
例えば、1万円の資金をすべて単勝馬券につぎこみ、2.0倍のオッズの馬券が当たったとしましょう。この場合、**回収率は200%**となります。
■購入例1 2万円(払戻金)÷1万円(購入金額)×100=200%
しかし、仮に資金1万円のうち半分の5000円を単勝にかけて的中したものの、残りの5000円を別の式別(馬連など)にかけて外れた場合、**回収率は100%**となります。
■購入例2 1万円(払戻金)÷1万円(購入金額)×100=100%
払戻金額と同様に、回収率も**半分となり100%**になります。
このように、1レース単位で考える場合、回収率のパーセントが高いほど儲かったと言えます。しかし、複数レースや長期的なスパンで馬券収支を考える際には、回収率だけでは具体的な利益額を把握することはできません。
例えば、1年間のトータル払戻金額が110万円で、総購入金額が100万円だったとしましょう。この場合、回収率は110%で純利益は10万円です。一方、前述の購入例1では回収率200%ですが、純利益は1万円。このケースでは、回収率110%でも200%より多くの払戻金額を得ていることになります。
つまり、具体的にどれだけ儲かったかを判断するには、回収率だけでなく総購入金額も重要な指標となります。1レース単位であれば爆発的な回収率を出すことも可能ですが、1年単位などの長期的なスパンでは、それが難しくなるでしょう。
競馬を長く楽しむためには、トータルでプラス収支を目標にすることが重要です。たとえ回収率が100%強であっても、総購入金額が増えれば儲けも比例して大きくなります。毎週馬券を買い、1年単位でプラス収支を達成できれば、それは立派な成績と言えるでしょう。
回収率を上げるための買い方はあるの?
回収率UPの買い方:トリガミをしないこと
競馬用語で「トリガミ」という言葉があります。これは、馬券が的中してもマイナス収支になることを意味します。回収率を上げるためには、トリガミは絶対に避けるべきです。
例えば、18頭立てのレースですべての馬の単勝を同一金額ずつ購入した場合、必ず的中はするものの、単勝の配当が18.0倍未満だと確実に損をしてしまいます。これがトリガミです。こうした買い方をする人は少ないでしょうが、平均配当が高い3連単などでも、むやみに買い目を増やすことで同じ状況が起こり得ます。
したがって、馬券を購入する際には、必ずオッズと購入金額を確認し、トリガミを防ぐよう工夫しましょう。
回収率UPの買い方:期待値の低い馬券を買わないこと
競馬において「絶対」ということはありえません。どんなに強い馬でも負けることがあるのです。中央競馬における**単勝1番人気の勝率は約30%**程度で、単勝オッズ1倍台の馬でも、勝つ確率は50%強程度です。このため、馬券の期待値は低くなります。
基本的に、上位人気馬ばかりを買うと、的中率は上がりますが、回収率が100%を超えるのは非常に難しくなります。しかし、だからといって、人気薄の馬ばかりを買うのも問題です。確かに当たれば配当は大きいものの、現実的に好走する見込みが薄く、的中率が極端に下がってしまいます。
上位・中位・下位人気馬をうまく組み合わせて購入することで、回収率の向上が期待できるでしょう。
回収率UPの買い方:いろいろな式別を使い分けること
JRAにはさまざまな馬券式別があります。特殊なWIN5を除いても、単勝・複勝・枠連・馬連・馬単・ワイド・3連複・3連単などがあります。どの式別を選ぶかは人それぞれで、「正解」というものはありません。ただし、いつも無条件に同じ式別ばかりを買うのは得策ではありません。
例えば、自分が選んだ本命馬が勝つ可能性が高いと判断した場合、単勝・馬単・3連単を中心に馬券を組み立てると良いでしょう。逆に、本命馬が勝つのは厳しいが、2着以内あるいは3着以内に入る可能性が高いと考えた場合、複勝・馬連・ワイド・3連複を中心に馬券を組み立てるのが効果的です。
■本命馬が勝ちそう・・・単勝・馬単・3連単を中心に馬券を組み立てる。
■本命馬は勝つのは厳しいが2・3着以内ならば・・・複勝・馬連・ワイド・3連複を中心に馬券を組み立てる。
仮に自分の本命馬が3着以内に来たとしても、買い方によって利益の大きさは異なります。例えば、本命馬が勝ったのに、2着にノーマークの馬が来て外れるというケースもよくあります。このように、当たり馬券がないという場合もあります。しかし、馬券を外すのを恐れて、むやみに買い目を広げるのは良くありません。
自分の思い通りの結果になったときに大きな払戻金が得られるような買い方を意識することが、回収率の向上につながるはずです。
回収率を上げるためにはレースの選び方も重要!
回収率を上げるためには、実際にどのレースを買うかが非常に重要です。狙ったレースの的中率が高ければ高いほど、回収率を上げるチャンスが広がるからです。「目の前にあるレースにはすべて参加したい」というスタンスでも構いませんが、その場合はレース単位で購入金額のメリハリをつけることをお勧めします。一般的には、「勝負レース」と呼ばれる、自分の中で厳選したレースに多くの資金を投入した方が効果的です。
レースの厳選基準としては、例えば好走する確率が高い本命馬がいるレースや、常々狙っていた馬が出走しているレースが挙げられます。さらに、高配当が出そうなレース条件で絞り込む方法もあります。たとえば、多頭数のレースや各馬の実力が横一線、ハンデ差や展開の紛れなどによって、人気馬が4着以下に敗れる可能性が高いレースを見つけることです。いずれの方法にしても、競馬に対する豊富な知識や高度な読み、深い考察が必要です。
この章のまとめ
競馬で勝つためには、回収率を上げることが必要です。そのためには、他の人よりも豊富な情報を持ったり、違った視点で予想したりすることが重要であり、これによりより大きな儲けを得られる可能性が高まります。例えば、競馬専門紙やスポーツ紙に掲載されている馬柱からはかなりの情報を得ることができますが、それだけでは限界があり、不十分な面もあります。
現在では、インターネット配信のデータベースや競馬ソフトを活用して、より詳しい情報を得るのが当たり前となっています。JRA-VANでは、そのニーズに応えるため、中央競馬のさまざまな情報を提供しています。JRA-VANには、PCソフトのJRA-VAN NEXT(ネクスト)、スマートフォンアプリ、ニッチなデータを見たい方にはJRA-VAN DataLab.(データラボ)、手軽に予想をしたい方向けのJRA-VAN TRYなど、**JRA公式データ(過去レースデータ、出馬表、オッズ、調教データ、血統情報等)**が30年分利用可能です。これらのツールは、多くの競馬ファンに愛用されており、コアな競馬ファンにとっては欠かせない存在となっています。